静かな港町・潮見崎。音響エンジニアの篠原航は、満月の夜に潮風に紛れる不思議な旋律を耳にする。地元の少女・夏海から「海鳴石」の伝説を聞き、音の正体を探るうちに町の封印された過去と夏海の家族に隠された因縁が明らかに。波間に響く旋律が、二人の運命と町の未来を揺るがす――音と記憶が紡ぐ幻想ミステリー。
成人式の日、川島遥のもとに亡き父からの手紙が届く。「鏡の前で待っている」と書かれた言葉に導かれ、遥は公民館の奥深くで隠された家族の秘密と向き合う。失われた兄・誠の存在、火災に隠された真実。鏡の中に映る父の影が導く先には、家族の絆と再会の奇跡が待っていた――。