ステラリフトの鍵

ジャンル:

SF

著者:

語りの灯火

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第九章:対立のクライマックス

ステラリフトの中心に立つシンイチ、ミユ、そしてユウキ。その背後には迫り来るエージェントたちの最後の一団がいた。彼らは無言で慎重な足取りを見せながらも、確実に距離を詰めていた。冷たい光を反射する武器を構え、統率の取れた動きからは躊躇の欠片も感じられない。一方、ステラリフトから放出されるエネルギーはますます不安定になり、空気そのものが震えるような圧力を生み出し、周囲の空間を揺るがしていた。 「これ以上は持たない…!」ユウキが警告する中、ミユは静かに立ち上がった。「ナノマシンを完全に制御すれば、このエネルギーを収束できるはず。」 だが、シンイチはミユを止めた。「お前がそれをすれば、体が持たないかもしれない。」 「それでもやらなきゃいけない。」ミユの目には決意が宿っていた。その時、エージェントたちが銃を構えて接近してきた。「時間がない!」ユウキが叫ぶ。 激しい戦闘が始まる。シンイチとユウキはエージェントたちと応戦しながら、ミユを守り続けた。一方、ミユはステラリフトの中心に歩み寄り、ナノマシンを起動させた。 「これが…最後の希望。」ミユが呟き、目を閉じると、彼女の体から眩いばかりの光が放たれた。その光は幾重にも層を成し、虹のような色彩を帯びながら周囲の空間を照らし出した。鋭い音とともにエネルギーの波動が放射され、ステラリフトの周囲の空間が一瞬で静まり返る。光の中にはナノマシンの粒子がきらめき、まるで生命を持つかのように脈動していた。ナノマシンがエネルギーを制御し始め、ステラリフトの暴走を止めるかのように見えた。 だがその時、エージェントの指揮官が現れた。彼の名はカイ。かつてシンイチと因縁を持った男だった。「こんなところで終わるつもりはない。」カイは冷酷に笑い、ミユに向けて銃口を向けた。 「やめろ!」シンイチが叫びながらカイに飛びかかり、激しい格闘が始まる。カイの狙いはただ一つ、ステラリフトの力を手中に収めることだった。二人の戦いが宇宙の命運を左右する中、ミユは最後の力を振り絞り、エネルギーを収束させる。


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