ステラリフトの鍵

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SF
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第七章:ステラリフトへの旅

廃墟から辛くも脱出したシンイチたちは、ついに目的地である「ステラリフト」の近傍へと向かっていた。ミユの体内に潜むナノマシンが、この宇宙現象と深く関連していることを示す手がかりを得た彼らは、すべての答えがその地にあると確信していた。 彼らが選んだ道は決して安全なものではなかった。宇宙船を調達するため、古びたドックを訪れた彼らを迎えたのは、荒くれ者たちの視線だった。荒くれ者たちは、それぞれに傷跡や機械化された身体の一部を持ち、荒々しい雰囲気を漂わせていた。彼らの間には低い笑い声と、不快な機械音が混じり、緊張感を高めていた。「こんな場所でまともな船が見つかるのか?」ユウキが低い声で呟いた。 「ここしかないんだ。」シンイチが答える。彼らは慎重に進み、裏取引を通じて小型の船を手に入れることに成功した。だが、その船は完璧からはほど遠い状態だった。「このボロ船で本当にたどり着けるのか?」ユウキが不安げに尋ねた。 「乗りこなすしかない。」シンイチが短く答え、エンジンを始動させた。宇宙船がゆっくりと浮上し、暗闇の宇宙へと飛び立つ。 旅の途中、ミユは静かに窓の外を見つめていた。彼女の顔には複雑な表情が浮かんでいた。「もし私がこの旅の原因だとしたら…。」その言葉を聞いて、シンイチは言葉を選びながら答えた。 「お前が原因じゃない。この宇宙の歪みが、我々全員に試練を課しているんだ。」 船内での短い休息の後、彼らはステラリフトの存在を示す異常なエネルギー反応を検知した。「これだ…間違いない。」ユウキがモニターを指さし、ステラリフトの位置を確認する。その瞬間、船の警報が鳴り響いた。「追手か…!」 ステラリフトに向かう彼らの船を目掛け、エージェントたちの艦隊が接近していた。数十隻に及ぶ艦隊が、暗闇の宇宙で編隊を組みながら接近する光景は圧巻だった。瞬く間にレーザーが交差し、船体をかすめるごとに火花が散る。ミサイルが発射される音が轟き、宇宙に爆発の閃光が広がる。シンイチたちの小型船は、必死に敵の砲火をかわしながら航路を維持していたが、シールドが徐々に限界を迎えつつあった。「ユウキ、対抗策はあるか?」シンイチが叫ぶ。「時間を稼ぐしかない!」ユウキは汗を浮かべながら、緊急対応に追われていた。激しい宇宙戦が幕を開ける。


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