禁じられた夜の講義

ジャンル:

官能小説

著者:

語りの灯火

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短編小説:禁じられた夜の講義

大学の深夜、キャンパスは静寂に包まれる。講義棟の一室には、かすかに灯る明かりがあった。そこにいるのは、准教授の佐伯(さえき)と、文学部の学生美咲(みさき)。 「先生、どうしてこんな遅くに呼び出したんですか?」 彼女は薄いカーディガンを羽織り、首をかしげた。佐伯は椅子に座ったまま、美咲の視線をじっと受け止める。 「君の書いた小説について話したかったんだ。……とても良かった。」 彼の手元には、美咲が提出した短編小説があった。官能的な表現が散りばめられたその作品は、教授の興味を強く惹きつけていた。 「本当に、そう思いますか?」 美咲は唇を軽く噛みしめる。彼女の表情には、期待と不安が入り混じっていた。 「ただ、ひとつだけ問題がある。……君の文章は想像の域を出ていない。」 佐伯の言葉に、美咲の眉がわずかに動く。 「もっとリアルな感覚が必要だ。例えば――」 佐伯はゆっくりと立ち上がり、美咲との距離を縮める。彼の指先が、彼女の手の甲をかすめた。 「肌に触れたときの温度、息遣い、相手の視線の熱。すべて、実際に感じたことがあるかのように書かなければ、読者には伝わらない。」 美咲は静かに息をのむ。部屋の中の空気が、一気に熱を帯びたように感じた。 「先生……それは、つまり……」 彼女の頬が赤く染まる。佐伯の目は、彼女の動揺を見逃さなかった。 「実際に経験するのが一番だ。」 佐伯の言葉が、美咲の鼓動を速める。 「……今夜の講義は、特別授業だ。」


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