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ホラー著者:
語りの灯火
1
23時58分。
寝る前にスマホをチェックしようと手に取った瞬間、不意に通知音が鳴った。
「明日の午前4時、あなたは死にます。」
──なんだこれ?
怪しいアプリを入れた覚えはない。誰かの悪質なイタズラか、都市伝説の類だろう。通知をスワイプで消し、適当にSNSを眺める。すると、#最期のメッセージ というタグがトレンド入りしていた。
「何これ?」
興味本位でタグを開くと、見知らぬ人たちが口々に言っていた。
「4時に死ぬって通知きたんだけどww」
「これバグ?俺も来たwww」
「ガチで4時になったら死んだやついるらしい」
「証拠ないと信じねえよな」
気味が悪い。
「まぁ、どうせ誰かのデマだろ。」
そう自分に言い聞かせ、スマホをベッド脇の机に置く。しかし、寝ようとしても、どこか落ち着かない。
ふと時計を見ると、午前3時55分。
部屋の明かりは温かく、冷蔵庫の低いうなり音が聞こえる。すべてがいつも通りだ。それなのに、胸の奥が妙にざわついていた。
午前3時59分。
寝るべきか、それとも起きているべきか──そんなことを考えている間に、時計の秒針が静かに動く。
午前4時00分。
──ピッ。
部屋の電気が、バチンッ と音を立てて消えた。
「え……?」
静寂が支配する中、スマホの画面が勝手に点灯した。
「は?」
目の前で勝手に開かれる通知。
『あなたは選ばれました。次のターゲットは…』
──次のターゲット?
そう表示された直後、スマホのカメラが自動で起動した。
インカメラに映る、自分の顔。
……いや、違う。
背後にもう一人、誰かがいる。
気づいた瞬間、耳元で囁き声がした。
「──4時を過ぎたね」
その瞬間、視界が闇に染まった。
エピローグ
翌朝。
SNSには新たな投稿が並んでいた。
「#最期のメッセージ って本当にやばくね?」
「昨夜、通知きた友達が消えた。ガチで。」
「もう…このタグ使うの、やめようぜ。」
だが、そんな警告もむなしく、新たな通知が次々と届いていた。
「明日の午前4時、あなたは死にます。」
そして、それは今、この画面を見ているあなたのスマホにも──
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